iTunesはセールスを増やしたの?
このWSJの記事はなかなか面白い。Kid RockがiTunesに楽曲提供しないで大ヒットを放っている状況からiTunesによってアーティストは実際、利益をあげてるのかあげていないのかをシングルトラックとアルバム、それぞれの売上げ状況などを鑑みながら掘り下げている。Kid RockやAC/DCといったアーティストがiTunesでの販売をせずにアルバムのセールスを伸ばしている一方で、Katy PerryやM.I.A.などiTunesでシングルの大ヒットを記録しているアーティスト達は実はアルバムセールスが伸び悩んでいるという状況が紹介されていたり、大御所イーグルスのマネージャーがiTunesでの売上げはイーグルスのような往年のバンドからすれば満足できるものではないとコメントし、最新作をwalmartでCD販売することになったいきさつなどが紹介されている。iTunesは違法配信による利益損失を救ったがシングルでマーケットを広げアルバムで利益を刈り取るというビジネスモデルを崩壊させたのではないかという論調だろうか。ニールセンサウンドスキャンによれば昨年の全米でのシングルトラックのダウンロード数は844 millionでアルバムのダウンロード数は50millionに留まり、また2003年から2007年にアルバムの販売数(CD、ダウンロード両方を含む)は21%減少して500millionとなった。記事によればiTunesで販売を行っていないAC/DCは2003年に2.55 millionだったアルバムセールスを2007年には2.7 millionに伸ばしているようだ。iTunesがセールスを阻害しているとは思わないし、むしろあの気軽さが音楽のタッチポイントを広げているという利益は大きいだろうなと思う。要はデジタルダウンロードの時代にアルバムというプロダクトをどう売るのかという戦略上の課題ということだろうね。あるいは、収益を確保しながらどうデジタル対応を進めて行くかという課題とも言えるかな。音楽に限らず、雑誌や新聞などの紙メディア、テレビなど、デジタルへどうビジネスを移行していくのかという課題は業種を越えた大きな悩み。流通環境が変わっているのにプロダクトは変わらず、ということでやっていけるのか、それとも新しい流通にあった新しいプロダクトの開発が必要なのか。課題解決のためにはフルデジタル時代へどう対応するのかを模索することになるけど、現在のビジネスをデジタル化の各段階に最適化しながらデジタルを利用することで収益を最大化するってことも考えなきゃスムーズな移行は難しい。AC/DCはiTunesの配信はやってないかも知れないけど、webは最大限に活用しているバンドの一つだろうし、今度のUSツアーはペーパーレスでチケット販売するようだしね。自分達のビジネスを良く理解してデジタルをうまく利用して収益も伸ばしているってことなんじゃないかな。そのうちレズナーもびくっりのデジタル戦略を打ち出して来たりしてねw。

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