CD屋サバイバル、ここが勝ち組?
ビルボードの記事によれば、UKのHMVは4月末までの16週の売上げで対前年比11.7%(!)という結果をたたき出した模様。これは凄い数字じゃない?先日のIFPIの発表ではUKのCDセールスは全体(通年)で前年比11.3%減。昨年のクリスマスシーズンの前年比5-10%減という市況。そんな中で2ケタ成長を記録したというんだから本当に驚きだ。好調の要因は、売上減少を続けるCDからDVDやゲーム、電化製品といった商材へ積極的にシフトしていったこととZavviやWoolworthといった競合の不調〜撤退などによるとのこと。商材別の売上げシェアはCD25%、DVD 50%、Game/その他25%になったというからかなりアグレッシブに売場のリアロケーションを行ったことがわかるね。今後もCDセールスは減少傾向にあるとみて、さらに売場を他の商材やサービスに割り当てていくようだ。さらに、新たな取組みとして、有料(pay per play)のゲームフロア設置や映画館開設、携帯キャリアOrangeとの提携によるモバイルの店頭販売、mama groupやmean fiddlerとの提携(JV)によるライブエンタテイメントとの事業提携強化などについて触れられている。別の記事では新しい上顧客専用カードサービス”Pure HMV”についても発表されているね。勢いあるなー。良い場所に店があるんだから売れるものを売ればいいじゃないっていうのはある意味誰でも思いつく策なんだけど、実際にうまくやって結果を出すのが難しいのは、かつてUSの大手音楽専門小売の多くがその方向を目指してコケてきたことをみればわかる。そもそもの自分たちのアイデンティティでもある音楽の売場を減らすってことは自分たちの存在意義を根底から考え直さなきゃいけないような大きな決断である上に、売場を削り、セレクションを削ることはWalmartやbest buyのような量販店との差別化を困難にし、AmazonやiTunesの優位性をさらに高めるばかりとも言える。結局、優位性の源泉をひとつ失うことで価格や利便性みたいなところでの競争を強いられ、コスト削減/コスト効率向上のデフレスパイラルに突入して売場の品質はさらに悪化というバッドな展開も考えられる。これじゃ、厳しいばかりで良い事はないし、その上、日本ではDVDバブルの頃にここぞとばかりに売場をどーんとDVDに広げたショップがその後のDVD価格の急激な下落とセールスの鈍化で相当に辛い思いをした経験(そもそもDVD自体売れ行きは厳しいと映画会社の人たちには聞くし)があったり、かつてゲームソフトもうまく扱えなかったトラウマも残っていたりして、この成功事例にすぐに習おうというのは心理的にもなかなか難しいかも知れない。しかし、そんな音楽好きらしいナイーブな一面がビジネスにやや守りな影響を与える一方で、小売りという川下あたりでビジネスをやってきたものには「売れればいいじゃん」的な商売的割切りもできる良さがある。それに曲がりなりにも音楽専門小売りとしてここまでやってきた以上は他の小売りにはない何かが必ずそこにはあるはず(なければさっさと商売替えした方がいい)。こばへん本ではないが何が本質なのかその辺りをそこは持ち前のナイーブさを持って丁寧に掘りさげて、そこに小売りの商売っけ、ヤマっけをふんだんにまぶした、繊細なコアをもちながらも大胆不敵な戦略をもって、がつんと世に問うて欲しいものだと思うのだが、いかがだろうか。そして、是非とも彼らとは違う成功事例を実現して欲しい。なぜなら彼らの事例は音楽のマーケットを新たに広げたというものではないからだ。USではかつての音楽リテールのビッグプレイヤー達は誰も残存者利益にすらありつけなかった。残り物にさえ、ありつけない世界。。。そんな厳しい状況を思うとちょっとロマンチック過ぎる話かなとも思うけれども、音楽ってそもそもロマンチックなものだしw、駄目もとでもなんでも”やった”やつらの中から真の勝ち組が生まれるのをどうしても期待してしまうね。

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